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『レザボア・ドッグス』(1992)は何が面白い?/感想

鮮烈のバイオレンス、30年ぶりに劇場公開『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』予告編【2024年1月5日公開】 - YouTube

はじめに

レザボア・ドッグスは、1992年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督のデビュー作である犯罪映画です。タイトルは「貯水池の犬たち」です。フランス映画『Au Revoir Les Enfants』の影響があるようですが真相は不明です。

オープニング

オープンニングで流れる曲である『リトル・グリーン・バッグ』は、日本はビールのCMで使用されていますね。曲名は直訳すると「小さな緑のバッグ」です。和訳された歌詞を見る限り、作中のアレを指しているのではと思います。スーツ着たおっさん達が喫茶店から出てくるだけなのに、なぜあそこまで格好良くなってしまうのでしょうか。

非線形的なストーリー展開

非線形のイメージ

映画は、強盗事件の前、最中、後の出来事が断片的に描かれ、観客はパズルのようにストーリーを組み立てていく必要があります。ストーリーとしての革新的な点は、非線形であることです。時系列がぐちゃぐちゃということですね。それによって、最後まで視聴者を惹きつけることに成功しています。 例えば、『市民ケーン』や『メメント』も非線形なストーリーですね。

スタイリッシュな暴力描写

タランティーノ監督は、暴力的なシーンをスタイリッシュに描写することで、観客に強烈な印象を与えます。陽気な音楽の後ろで、残虐的なことが行われている恐怖。長回しによって臨場感があります

普通ならありそうな、強盗の場面が登場しないのも、クライムものとしては特徴的です。

個性的なキャラクター

登場するキャラクターたちは、それぞれに個性があり、魅力的な人物像として描かれています。ミスター・ピンクは知能が高いのか、冒頭で誰が怪しいか気付いています。ミスター・ブルーの存在が空気なのが笑えます。

巧妙な台詞回し

タランティーノ監督は、巧妙な台詞回しで観客を楽しませ、映画に深みを与えています。冒頭ではマドンナの曲に対して、ミスター・ブラウン(タランティーノが演じる)が持論を熱弁します。のちに、マドンナはその持論を否定したらしいです笑。一見下品で無意味な会話ですが、キャラクターや関係性を描写しています。

賛否分かれそうなところ

下ネタや差別用語のオンパレードです。犯罪者が美しい言葉を使うとは思わないので、その点ではリアリティがあるかもしれない。また、男の友情、いうなればホモソーシャル性の強い作品のため、賛否が分かれそうです。

まとめ

レザボア・ドッグスは、タランティーノ監督の才能が遺憾なく発揮された、完成度の高い映画です。暴力的なシーンも含まれていますが、映画ファンであればぜひ一度は観るべき作品と言えるでしょう。

↓対象年齢高めです。こちらは字幕版ですが、吹替版もありますよ。

おまけ

劇場で観た時のポスターです。映画館で過去の名作を観るのも楽しいですよ。

 

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