社会不適合者のシネマ日記

映画・商品レビュー

『オッペンハイマー』の、白いバッジから分かること

はじめに

映画『オッペンハイマー』を観ました。オッペンハイマーの身につけている白いバッジが気になり、調べてみました。

オッペンハイマーのバッジ

Historic Badges | Our History

マンハッタン計画の科学責任者であるオッペンハイマー氏は、ニューメキシコ州ロスアラモス国立研究所で働いている間、「K-6」と記された白いバッジを付けていました。 これは、彼が監督としての役割を始めた 1943 年に撮影された ID バッジの画像で確認できます。「K-6」は他の実験参加者と同様、アルファベット1文字+数字というルールでつけられたと推測しています。ただし、赤バッジは数字のみのようです。

バッジの色

⚪️:最高レベルのセキュリティ クリアランスを示し、トップレベルの物理学者、エンジニア、重要な科学者が着用していました。白いバッジを付けた人々は一般に、全体的な目標が原子爆弾を製造することであることを知っていました。

🔴:高度に区分化された状態の中でいくらかの技術情報を入手できる人(技術者や秘書)

🟡:研究所の技術的なエリアには入れるが、機密情報を受け取ることはできない(警備員など)

🔵:機密情報は必要だが技術的な情報は必要でない人(事務員や倉庫従業員)

従業員は、クリアランス レベルに応じて赤や青などの異なる色のバッジを持ち、より必要な情報に基づいて業務を遂行していました。*1白は、ロスアラモスで行われるすべてのことを知ることができる人でした。当初、グローブス将軍は、ロスアラモスをかなり区分化することを望んでいましたが、オッペンハイマーらはこれに反対し、区分化の方針は緩和されました。区分化というキーワードは、劇中に登場していましたね。

ID・バッジの目的

バッジは、ロス アラモスやその他のマンハッタン プロジェクトの現場における厳格な安全対策の一環でした。すべての従業員に対してFBIによる身元調査が実施され、バッジには各従業員の写真、役職、資格レベルが表示されました。また、 秘密保持のために郵便も検閲されました。 

エンリコ・フェルミも白バッジだった?

以下は、物理学者のエンリコ・フェルミの妻、ラウラ・フェルミによる話です。

私が初めて上司の若きルイス・ヘンペルマン博士がトリニティという言葉を口にしたとき、『トリニティって何ですか?』と尋ねました。彼は『あなたの夫に聞いてみなさい』と答えました。その答えは予想通りでした。私は『青バッジ』の労働者だったので、秘密を知ることは許されませんでした。『白バッジ』のヘンペルマン博士は、私のようなパートタイム労働者に友好的で寛容でしたが、規則は厳守していました。技術エリアのフェンス内で生まれた『チューブアロイ』や『49』などの言葉の意味を尋ねるたびに、ヘンペルマン博士から無表情な顔で『あなたの夫に聞いてみなさい』と言われました。

しかしフェルミは、秘密保持に関しては他の『白バッジ』以上に口が堅く、結婚以来初めてのまとまった物理学からの休暇を楽しんでいた私は、科学的な説明の話題になりそうなことは何でも避けていました。

In their own words: Trinity at 75 - Bulletin of the Atomic Scientists  を翻訳

まとめ

オッペンハイマーの白い「K-6」バッジは、世界初の原子爆弾を開発するロスアラモスでの極秘作業における彼の高レベルのアクセスと、指導的役割を意味しているのでした。

 

関連記事

↓映画『オッペンハイマー』の原案

↓eBayで見つけたバッジ

www.etsy.com

『オッペンハイマー』(2023)技術と倫理の狭間で揺れる天才科学者の物語/ネタバレ感想

はじめに

クリストファー・ノーラン監督の新作「オッペンハイマー」が公開されました。

アメリカ公開日は2023年7月21日、日本公開日は2024年3月29日です。全米公開から8カ月遅れての日本公開となった。日本への原爆投下の描写が議論となり、公開日が長引きました。早速『オッペンハイマー』を観てきました。

感想

    • 日本人にとってはやはり辛い トリニティ実験の成功に湧き上がるスタッフの姿が描かれ、原爆投下を肯定するアメリカの視点が浮き彫りになっています。この場面は、被爆国である日本人にとって非常に悲しいものです。
      最近の「バーベンハイマー」騒動が示すように、「原爆投下によって戦争が早期に終結した」というアメリカの見方は、今なお根強く残っているのではないか。そうした原爆肯定派のアメリカ人に対しては、厳しい目を向けざるを得ません。映画では、広島・長崎の惨状を直接的には描いていませんが、黒焦げの遺体の幻影や、被爆直後の写真スライドをオッペンハイマーが直視できない場面などを通して、間接的に表現していました。議論の分かれるテーマに攻めたことに、私は評価したいです。原爆の人道的な問題に、注目を集めるきっかけになりました。

                 ↓トリニティ実験の舞台。現在でも円形の跡が見える。

                 

  • 音響効果 原爆の爆発音・拍手の轟音からは、オッペンハイマーの葛藤を感じます。また、ルドウィグ・ゴランソンによる特徴的な音楽は、量子からインスピレーションを受けたそうです。会話劇でも常に音楽がありました。
  • IMAX効果 撮影監督とプロダクションデザイナーは、『NOPE』を担当された方です。IMAXを活かした作品づくりに一役買っていることでしょう。
  • トム・コンティ登場 ノーラン監督が『戦場のメリークリスマス』を好きなことは知っていましたが、まさかのサプライズでした。トム・コンティは戦メリでローレンスを演じていましたよね。

微妙なところ

ヌード  該当シーンは短いながらも、ちょっと気まずいです。これが原因でR指定になりました。

音楽 常に音楽が流れているイメージなので、その点で少し疲れてしまったかもしれません。

情報多い 登場人物の多さと時系列の複雑さに、混乱します。ノーラン映画あるあるですが。公式サイトで、登場人物ぐらいは予習しても良いかもしれません。

物理学

ロバート・オッペンハイマー理論物理学者ですが、ノーラン監督は英文学を大学で学んでおり、物理学の正規の教育は受けていません。しかし、ノーベル賞を受賞した物理学者キップ・ソーンとの仕事をきっかけに、物理学への強い関心を持つようになりました。(驚くことに、ソーンはオッペンハイマーの講義に参加したことがあります。)量子の振る舞いの映像表現は、彼だからこそできたのです。

AI開発との共通点

ところで、AIにおけるXリスクをご存知でしょうか。人工知能(AI)の発展によって人類の存続が脅かされるリスクのことを指します。

アメリカの非営利団体、AI安全センターは「AIによる人類滅亡のリスクを軽減することは、パンデミックや核戦争などと同様に世界的な優先課題だ」とする声明を出しました。

“AIリスク軽減は世界的優先課題”声明 権威ら350人以上が署名 | NHK | AI(人工知能)

AI開発の姿勢には、以下の2つがあるとされます。

技術進歩に対する姿勢EA(効果的利他主義)は、AIなどの技術進歩において倫理性と安全性を重視し、規制の必要性を訴える慎重派の立場。e/acc(効果的加速主義)は、技術進歩を無制限に加速させることが人類の問題解決につながると考え、規制に反対する楽観派の立場です。

新技術を不用意に世に出す危険性という点では、原爆開発から学べることがあると思います。

まとめ

天才科学者の栄光と転落を描くオッペンハイマー。日本人にとっては辛い描写があるものの、アメリカ視点の、原爆開発の過程は興味深いです。一方、史実とは異なるとの声もあり、その点は一次資料を参照する必要がありそうです。

政治と科学の観点から、もう2度3度観たくなる戦史スリラーです。

 

↓映画『オッペンハイマー』の原案。

 

ブギーボード[boogie board] BB-14 レビュー(画像多)

 

はじめに

キングジムから発売されている電子メモパッド「ブギーボード」シリーズの新モデル、A6手帳サイズの「BB-14」を使ってみました。コンパクトで持ち運びに便利、スイスイ書けてサッと消せる手軽さが魅力です。

パッケージ

↓シンプルなパッケージ。エコですね

↓保証書が入っている

デザイン・サイズ

BB-14 | ブギーボード | KINGJIM

アースカラーの、職場でも使用しやすいデザインです。A6サイズの手帳と一緒に持ち歩けるコンパクトさが特長です。液晶画面は6インチと少し小さめですが、ハイコントラストで見やすく、細かい文字やイラストも書きやすいです。

↓500mlペットボトルとの比較。片手でも持ちやすい。8.5インチより小さく、付箋サイズより大きい絶妙な大きさが魅力

機能・使い心地

↓付属のスタイラスペンで液晶画面に直接スイスイ書き込める。筆圧に応じて線の太さが変わり、まるで紙に書いているようななめらかな書き心地。

↓書いた内容は本体上部のボタンを押すだけでパッと消去できる。約3万回消去可能で、電池交換もできるので繰り返し使える。電話メモや手計算にもおすすめ。画面メモロック機能は無いので、誤操作に注意

 

↓ BB-14 のスクリーンの方が、明らかに高輝度

左:BB-14                           右:中華メモパッド

 

スタイラスペンはスライドして取り出す。スライド部がすぐに折れそう

↓本体、スタイラスペンともに、ストラップを取り付けられる

↓レーザー彫刻による物差しがある。

↓また、本体裏面にはマグネットが付いているのも便利なポイント。冷蔵庫などに貼り付けて、TODOリストとして使用できる。

メモをデジタル化できる

また、この電子メモパッドは、専用アプリ「Boogie Board SCAN」を使用してスマートフォンに内容をスキャンし、画像データとして保存することができます。これにより、メモに注釈を加えたり、フォルダ分けしたりすることが可能になります。

↓スクリーン部分を自動でスキャンして、2値化してくれる

総評

 

ブギーボード BB-14は、A6サイズのコンパクトボディに必要十分な機能を搭載した、シンプルで使いやすい電子メモパッドです。ペーパーレスでエコ。メモをデジタル化して保存できるものの、どちらかと言えばフロー情報のメモに向いています。なお、一部の人からはメモロック機能がないために間違えてメモを消去してしまったという声もあります。

現在では3,000円程度で購入できます(24年3月時点)。ブギーボードは有名メーカーのため少々高価ですが、品質には納得できるはずです。

 

 

↓中華電子メモパッド。低輝度ながら、10インチで2,000円以下で購入しました。消去ロックボタンがあります。

 

 

森博嗣氏による映画タイトルの考察/『Beauty and the Beast』のBeautyになぜTheがつかないのか

『A Boy Named Charlie Brown』に込められたメッセージ

森博嗣氏は、著書『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』の中で、自身が初めて観た映画『A Boy Named Charlie Brown』(邦題:スヌーピーとチャーリー)のタイトルについて言及しています。

そういえば、最小に観たチャーリー・ブラウン(有名なスヌーピーの飼い主)の映画のタイトルが、「A Boy Named Charlie Brown」だった。「チャーリー・ブラウンという男の子」という意味だ。どうして、単に「チャーリー・ブラウン」というタイトルにしなかったのだろう、とそのとき僕は思った。
[中略]
その言い回しには、「みんなはまだ知らないかもしれないけれど、この映画を観ているうちに、チャーリー・ブラウンがどんな子かわかりますよ」というメッセージを持った響きなのである。 
 

引用:人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書) 電子書籍 No.2123

このタイトルからは、まだ無名の少年の物語を描くという意図が感じられます。

例えばスーパーマンが主人公なら、「A Man Named Superman」という言い回しはしないでしょう。なぜなら、スーパーマンは誰もが知っているからです。実際にスーパーマン一作目の原題は単に「Superman」です。

この映画をきっかけに「名前」という概念について、抽象的な思考が展開されています。普通なら深読みしないことも、しっかりと考える。森博嗣氏の常識を疑う姿勢が伺えます。

 

私はこれと似たような、気になっていたことがあります。

『Beauty and the Beast』のBeautyには、なぜTheがつかないのか

言わずとしれたディズニーの『Beauty and the Beast』。BeautyにはなぜTheがつかないのか、疑問に思ったことがあります。ということで、理由を調べてみました。

"The Beast"が指し示すのは、作中の"野獣"であることは明らかです。

"Beauty and the Beast" のタイトルにおいて "beauty" に定冠詞 "the" がつかない理由は、"beauty" が固有名詞として扱われているからではないでしょうか。固有名詞は通常、定冠詞は使用されません。この場合、"Beauty" は主人公のベルを指し示す固有名詞として使用されており、フランス語での彼女の名前が "Belle" であることからも、"Beauty" が特定の人物を指す固有名詞だからです。

例えるなら、美由紀と(その)野獣、みたいな。

 

なお、原作である"La Belle et la Bête"には、どちらにも定冠詞がついていますね。美女、野獣はそれぞれ女性名詞です。この場合の"La Belle"は固有名詞ではなく、一般名詞の「美女」のようです。紛らわしい。

出典:【フランス語#010】冠詞 〜 英語の冠詞の学習にも有用です - 歌をメインに外国語をまなブログ

まとめ

映画タイトルの言葉選びには、売れやすくするためではなく、作品への思い入れや狙いが隠されているかもしれません*1。普段何気なく見ている映画タイトルにも、注目してみると新しい発見があるかもしれませんね。タイトルに隠された意味を考えることで、映画を観る楽しみがさらに広がるでしょう。

 

 

 

 

 

 

『落下の解剖学』(2023)/生々しい法廷ドラマ/感想

はじめに

フランスの女性監督ジュスティーヌ・トリエによる作品です。カンヌのパルム・ドールを受賞しており、批評家からの評価は良さそうです。

あるフランスの山荘から夫サミュエルが落下死し、サミュエルの妻ザンドラには、疑いの目がかかります。ザンドラは裁判所で追及されてしまいます。果たして真相は・・・。

感想

  • P.I.M.P ・・・序盤では、50セントの「P.I.M.P」(歌詞なし)が流れます。ザンドラの夫がなぜこの曲を聞いていたかが、キーのひとつになっています。歌詞を調べてみたところ、結構下品な歌詞でした。ちなみに、P.I.M.Pは「売春斡旋業者」を意味するようです。*1
  • 極めて具体的なセリフ・・・なぜ極めて具体的かは、映画を観ていただけたら分かります。主人公トリエと男性の関係は、本作の監督家トリエと、脚本家のアラリとの関係のようです。嫌になるほど生々しい夫婦喧嘩のセリフは、2人の実際のエピソードを基にしたとしか思えません。
  • 傍聴しているかのよう・・・裁判所では検察や トリエ監督はドキュメンタリー映画出身だからか、ドキュメンタリー風の演出もありました。それによって、実在感が出ています。脚本には刑事事件専門弁護士の指導があり*2、リアリティの裏付けがあります。検事や検察はザンドラを追及しますが、その過程でジェンダーや性的関係でさえ公開されています。
  • 記憶は不正確・・・弱視である少年 は、1度目の証言と2度目の証言に食い違いがあります。無意識に記憶が変わってしまうことはありますよね。記憶は案外不確かなものです。
  • 解剖・・・サミュエルとザンドラ、どちらに共感すべきか迷ってしまいます。人は複雑であるのに、単純化して評価してしまうことに気付かされます。その点で、人間というもの、そして私自身を解剖しているような気分になりました。

  • 「スヌープ」の演技が凄い・・・殺伐とした本作で唯一の癒やしが、ボーダーコリーのスヌープです。特殊な演技をしています。もちろん、動物の安全に十分注意したとのこと。どう撮影したかは、この動画→Behind the Scene: How the Dog from 'Anatomy of a Fall' Learned to Play Dead on Screen - YouTubeで解説されています。

ジュスティーヌ・トリエ監督って?

ジュスティーヌ・トリエ(Justine Triet)は、フランスの映画監督、脚本家、編集技師です。彼女はフランス国内外で高い評価を受けており、数々の賞を受賞しています。

著名な作品:

    • 2013年の長編デビュー作『ソルフェリーノの戦い』は、第66回カンヌ国際映画祭のACIDプログラムで上映され、批評家から高い評価を受けました。
    • 2016年にはロマンティック・コメディ・ドラマ『ヴィクトリア』の脚本・監督を務め、セザール賞でノミネートされました。
    • 2019年にはコメディ・ドラマ映画『愛欲のセラピー』がカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、パルム・ドールを争いました。
    • 2023年には法廷スリラー『落下の解剖学』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞し、女性映画監督としては史上3人目の快挙を達成しました。
  • アカデミー賞ノミネート:

ジュスティーヌ・トリエは、映画界でその才能を発揮し、多くの賞を受賞している実力派の監督です。

微妙なところ

音楽はあるものの、劇伴はないので、人によっては眠くなってしまうかもしれません。152分は少々長く感じましたね。トイレに行くことを忘れずに笑

まとめ

まるで裁判所で傍聴しているかのような、初めての体験です。真犯人を突き止めるというよりは、落下死事件までの過程を楽しむ映画でした。腹落ちしない謎があり、また観に行こうと思います。

『コヴェナント 約束の救出』(2024)/感想/アフガンを考える

はじめに

『コヴェナント 約束の救出』は2018年のアフガニスタンを舞台にしています。アメリカ軍兵士キンリーとアフガン人通訳アーメッドとの、不思議な関係がテーマです。アーメッドは、米軍からもらえるアメリカ永住ビザをもらうため、命がけで戦います。(『コヴェナント 約束の救出』公式サイトのあらすじが詳細すぎて、ほぼネタバレな気がする)

ガイ・リッチー監督って?

ガイ・リッチー監督の、近年の作品リストです。

2009年

2011年

2015年

2017年

2019年

  • ジェントルメン

2021年

  • キャッシュトラック

2023年

  • オペレーション・フォーチュン

スパイ・探偵ものが多いですね。ガイ・リッチーが子どもの頃に観た、『明日に向って撃て!』からの影響が大きそうです。なお、実写版アラジンも監督し、幅広いジャンルをこなしています。

米軍のアフガニスタン撤退

米軍は2021年8月30日アフガニスタンから撤退しました。2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件の報復として、アメリカがアフガニスタンに侵攻してから約20年後のことでした。

撤退の影響

今日ではウクライナ紛争に埋もれてしまっていますが、現在でもアフガニスタン問題が続いています。米軍はタリバン勢力と戦いますが、結局タリバンが政権を握ることになりました。ベトナム戦争のような無慈悲さを感じます。

私は恥ずかしながら、アフガン人の通訳が活躍しているとは知りませんでした。アーメッドのように、願いが叶ったのはごく一部の人かもしれません。ビザを取得できずに亡くなった、アフガン人通訳への鎮魂でもあるのです。

個人的な良いところ・微妙なところ

良いところ・・・

戦闘描写 やはりミリタリー好きにはおすすめです。戦闘シーンは緊張感にあふれていました。ハンドサインや、タリバン勢力の銃を観察するのも面白いです。

心理描写 アーメッドは米軍に協力するアフガン人であり、現地人には蔑まれています。そうした、裏切りなどの心理戦がしっかりしています。ラストシーンは『プライベート・ライアン』を連想してしまいした。

微妙なところ・・・少々美化されたと思うシーンがあります。実話をモチーフにしたフィクションとして楽しみましょう。

まとめ

『オペレーションフォーチュン』や『アラジン』といった、どちらかというとお気楽な作品が多いようです。アメリカでは2024年4月ごろに、実話を基にした戦争映画『The Ministry of Ungentlemanly Warfare』が公開されます*1。どうやら戦争ドラマに味をしめたようです笑

 

 

 

 

『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(2024)/感想/微妙な評価の理由

はじめに

都内の劇場で、ゲームを実写化した作品『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』を鑑賞しました。公開されたばかりということもあり、観客はなかなか多かったです。

評価は微妙のようですが、その理由を考えてみました。まずは参考として、レビューを見てみましょう。

レビューサイトの評価

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズのレビュー・感想・評価 - 映画.com

↑こちらは映画.comの評価です。

Five Nights at Freddy's | Rotten Tomatoes

↑続いてこちらはロッテントマトの評価です。批評家の低評価に対し、一般の観客のスコアはなかなか高いことが分かります。それにしても両極端ですね。ゲームのファンは楽しんでいそうです。

微妙な評価の理由

なぜここまで評価が分かれるのでしょうか。

ブラムハウスのCEOであるジェイソン・ブラムは、ある記事でこう語っています。

通常映画スタジオが人気の本やビデオゲームを映像化する場合、万人受けするように作られます。ですが今回我々はゲームの生みの親であるスコットと組み、ゲームのファンに向けて映画を作るというハリウッドでは珍しい選択をしました。

出典: ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ インタビュー: ジェイソン・ブラム流“ホラー映画の作り方”は? 「ゴジラ-1.0」との共通点を明かす - 映画.com

という通り、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』とは真逆の戦略を取っていることが分かります。ホラーゲームという点もありますが、門戸が狭いのです。今作は原作未プレイである私に、少々ハードルを感じたのは事実です。とはいえ、この映画がきっかけで、新たなファンを増やせる可能性もあるかもしれません。

原作に忠実?

ゲームではプレイヤー自身が操作するキャラクターであり、夜間警備員として戦慄の夜を過ごすことになる主人公・マイクを演じたジョシュ・ハッチャーソンは「原作ゲームの開発者が全部チェックした」と開発者スコット・カーソン監修のもとで厳格に行われた撮影を振り返りながら、「ゲームファンの人も心配いらない。ゲームの世界観や登場キャラをとても大事にして作られてる」と、世界的人気を誇る原作ゲームを愛し続けてきた大勢のファンに向けて力強くメッセージを贈っています。

NEWS|映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』公式サイト

以上のように、原作者が直接映画に関わっています。また、以下の動画では、原作ネタについて解説が行われています。モロネタバレですので、注意してください。

【解説】FNAF映画の原作再現シーンをファンが徹底解説!【ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ】 - YouTube

個人的な良いところ・微妙なところ

良いところ・・・やはりアニマトロニクス(獣人型のロボット)ですね。CGではなく実写であり、なぜか家族のような親しさを感じます。

微妙なところ・・・ツッコミどころや消化不良の要素です。主人公やその妹にはなにか力があるらしい。主人公のトラウマは解決されたのか、私にはよく理解できませんでした。ゲーム経験者は、あー、あれね、となるのでしょうか。

ブラムハウスの作風

ブラムハウスは低予算のホラーを得意とする制作会社のようです。また、新人監督を積極的に採用していて、今作のエマ・タミ監督は、長編映画を初めて担当するそうです。ブラムハウスによる、クセの有る作品を楽しめる方にはおすすめです。

まとめ

ホラーとしてはそこまで怖くない、アニマトロニクスより主人公マイクの葛藤が中心の映画で、そこまで刺さらなかったです。ゲームのプレイ後に感想が変わるかもしれないので、評価は一旦保留しようかと思います。

 

 

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