社会不適合者のシネマ日記

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『ラ・ラ・ランド』(2016) 感想 /ハリウッドの夢と現実

ラ・ラ・ランド(ララランド/LA LA LAND)のあらすじ

夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ(セバスチャン)、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる……。

映画『ラ・ラ・ランド』公式サイト

感想(一部ネタバレあり)

カラフルでファンタジックなミュージカル映画です。長回しのミュージカルシーンはお見事です。特に、オープニングの高速道路でのシーンは必見です。

ディズニー作品や『サウンド・オブ・ミュージック』が好きな方なら、楽しめると思います。

2月にチャゼル監督の新作『バビロン』が公開されましたね。『ラ・ラ・ランド』と同じようにハリウッドが舞台ですが、「汚い」という感想を見ました。どんな作品なのか、怖気づいています…。

パワフルな音楽

ラ・ラ・ランド』のメインテーマは『Another Day Of Sun』ですが、落ち着いた雰囲気の『City of Stars』も気に入りました。

もちろんセブがピアノで弾く、『Mia & Sebastian's Theme』も忘れられないですね。セブの「本心」とも言える曲でしょうか。

レンズフレアが美しい

作品には横長のレンズフレア*1が多用されています。これはアナモルフィックレンズによるレンズフレアです。このレンズフレアを見ると、ハリウッドだなと感じてしまいます。

ロケ地も素晴らしい

キャシー・コーナーでの、夜景をバックにしたダンスシーンが有名です。ミアが働いていたスタジオのカフェ以外は、実在する建物で撮影しているようですね。あの映画館「リアルト」も実在するとは! *2

ワーナースタジオのツアーや、ロサンゼルスの観光に行きたくなってしまいました。

ラストシーンのセットが…

ラストシーンの「AUTO SHOP」と書かれたセットが、実は序盤の0:41:41から登場するのです。これには驚きました。メタですね~。

監督のジャズ愛が強すぎる

『セッション』の あのイカレオヤジ(J・K・シモンズ)も登場しました。チョイ役だけど、ストーリーに関わる役です。

セブがジャズについて熱く語っていました。君らが聞くジャズ風の音楽は、本当のジャズではないと。監督のジャズ愛は、古い名作映画への敬意でもあると思います。

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ラストシーンの解釈は

私の解釈は……

  • セブとミアは別々の道を歩むことになったが、お互い応援をしていること。
  • もしレストランの店長がフリージャズに寛容だったら、結末は違っていただろう。
  • 現実との折り合いを付けた人へのエール。
  • 自分の求めるものは、他人が求めるものではないかもしれない。
  • ハリウッドはどこか虚しい場所であること。

映画ネタが多そう

映画の知識が少なく理解できなかったのですが、「ここは映画のオマージュなのだろうか?」と思われるシーンがありました。

この作品を見ると、もっとクラシック映画に触れてみたくなります。劇中に登場する『カサブランカ*3と、元ネタと思われる『雨に唄えば』も視聴してみようと思います。

 

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