社会不適合者のシネマ日記

映画・商品レビュー

『素晴らしき哉、人生!』(1946) クリスマスの定番映画/史上最高のアメリカ映画11位

はじめに

季節外れですが、クリスマス映画である『素晴らしき哉、人生!』を観ました。

原題の「It's a Wonderful Life 」の、そのまんまの訳ですね。素晴らしき哉(かな)って、時代を感じる表記ですよね。「哉」の意味はおそらく辞書の通りで、人生ってなんて素晴らしいんだ!といった意味だと思います。*1

じわじわ評価された映画

映画公開当時はアカデミー賞ノミネートにとどまり、受賞には至りませんでした。しかし、アメリカでは毎年テレビで再放送されるそうで、若い世代からも再評価されています。*2

この作品は、アメリカのAFI映画協会が選出する最高のアメリカ映画100の、11位にランクインしています。このランキングは映画関係者が投票したそうで、評価の高さが伺えます。*3

 

あらすじ

時はクリスマスイブ。青年ジョージが絶望に陥り、橋から飛び降りようとしていました。そこに天使と称するクラレンス(見た目はおっさん)と出会います。ジョージが「自分なんて生まれてこなければよかった」と言うので、天使クラレンスはその言葉を現実にして見せます。

感想(ネタバレ)

はじめは少しスローな展開だと感じました。中盤あたりから展開が変わります。時代設定が1945年なので、ヨーロッパ戦勝記念日対日戦勝記念日の話が出てきます。

もし自分がこの世に存在しなかったら。後半はSFのような展開になりました。ジョージが存在しない世界は、あらゆることが悲しい結末を迎えています。弟が死に、静かな街は喧騒な街になってしまった。

ジョージはポッターとは違い、とにかく顧客目線のビジネスマンだった。だから仲間から寄付を受けて、会社をピンチから救うことができたのでしょう。

最後には、みんなでワイワイ歌って大団円を迎えるのが良いですね。

正直、ジョージのように周囲に大きな影響を与える人は少ないでしょう。ですが、積極的に人と関わり、人助けをする。そんなジョージの生き方を見習いたいです。

同監督のプロパガンダ映画『汝の敵、日本を知れ』

以前に同じ監督(フランク・キャプラ)の『汝の敵、日本を知れ』という作品を観たことがあります。フランク・キャプラが、第二次世界大戦中に制作したプロパガンダ映画です。この映画は日本を悪の象徴として描き、米兵たちに対日戦争が「正義」であると確信させることを目的としていました。日本に対するメチャクチャな描写はありますが、外国人の割にはよく調べたな、という印象です。以前にNetflixで視聴しましたが、現在は視聴不能のようです。