社会不適合者の日記

映画・商品レビュー

『バニシング・ポイント』(1971)未だに語り継がれる理由 [ネタバレあり]

はじめに

アマゾンでレンタルした『バニシング・ポイント』という作品が、現在でも一部の劇場で上映中(23/4/8時点)であることを知りました。なぜ、50年以上も前の映画が現代に蘇り、人々を惹きつけ続けるのでしょうか。その理由を探ります。

あらすじ

ベトナム戦争名誉勲章を受け、レースドライバーや警官の職を経て現在は車の陸送で生計を立てるコワルスキーは、コロラド州デンバーから1200マイル離れたサンフランシスコまで、白の70年型ダッジ・チャレンジャーを15時間で届ける賭けをする。交通法規を無視して暴走する彼を警察が追う中、警察無線を傍受した盲目の黒人DJスーパー・ソウルがラジオで実況中継を開始。コワルスキーの逃走劇は世間の注目の的となるが……。*1

 

バニシング・ポイントの意味

そもそもバニシング・ポイントとはなんでしょうか。辞書で調べてみますと、透視図法の消失点のようですね。手に入らない理想や自由を象徴するような、深い意味が込められています。

反体制であるヒッピーが、その後ヒッピーでい続けられたのか。おそらく、体制に従わざるを得なかったはずです。劇中では消失点

みどころ

  • カーアクション

コワルスキーという男が白い車(アメリカの名車「1970年型ダッジ・チャレンジャー」)を運転し、ただただ砂漠を走り続けます。カーチェイスや衝突シーンが多く、真の主人公はダッジ・チャレンジャーと言われることも。

  • スーパーソウル

「スーパーソウル」という人物は、黒人かつ視覚障害者のラジオDJです。彼はラジオを通じてコワルスキーの車に語りかけます。彼は盲目ですが、ある意味ではコワルスキーよりも良く見えています。非常にハイテンションでやかましいとですが、何らかの能力を持っているようです。

また、彼は人種差別だけでなく、障害者差別を受けているようにも見えます。

ワンハリとの関わり

直前に、タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019) (以降ワンハリ)を観ました。ワンハリだけを観ると、ハッピーエンドのように思えますが、シャロン・テートについて知った後、非常に悲しくなりました。

この映画が作られた1970年代のアメリカは、ヒッピーなど反体制の若者文化が花開いた時代でした。映画の中には、自由を追い求める人々や、社会への反発、そして当時の空気感が色濃く表れています。

コワルスキーが走ったのは賭けのためではなく、必死に自由を追求するためではないかと思います。

脚本

ギレルモ・ケインの独特な脚本は、どうやら2つの事件に着想を得たようです。

脚本は実際の事件に着想を得ています。サンディエゴの警察官が職を失い、さらに、警察の追跡中に警察のバリケードへ突っ込んで死亡した男性の話が元になっています。

Vanishing Point (1971 film) - Wikipedia

アメリカン・ニューシネマとして有名

監督はリチャード・C・サラフィアンという方です。どうやら他に代表作は無さそうです(失礼)。

しかし、アメリカン・ニューシネマ*2としては有名になりました。そして、あらゆる人に影響を与えました。タランティーノ監督の「デス・プルーフ in グラインドハウス」や、エドガー・ライトの「ベイビー・ドライバー」がインスピレーションを受けたそうです。

*3

最後に

一見するとロードムービーですが、なにやらメタファーが多いです。これはもしかすると、自分の人生に影響があるのでは? とさえ思った作品です。あなたはちょっと残酷なラストシーンをどう解釈しますか?

 

 

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