社会不適合者のシネマ日記

映画・商品レビュー

『コヴェナント 約束の救出』(2024)/感想/アフガンを考える

はじめに

『コヴェナント 約束の救出』は2018年のアフガニスタンを舞台にしています。アメリカ軍兵士キンリーとアフガン人通訳アーメッドとの、不思議な関係がテーマです。アーメッドは、米軍からもらえるアメリカ永住ビザをもらうため、命がけで戦います。(『コヴェナント 約束の救出』公式サイトのあらすじが詳細すぎて、ほぼネタバレな気がする)

ガイ・リッチー監督って?

ガイ・リッチー監督の、近年の作品リストです。

2009年

2011年

2015年

2017年

2019年

  • ジェントルメン

2021年

  • キャッシュトラック

2023年

  • オペレーション・フォーチュン

スパイ・探偵ものが多いですね。ガイ・リッチーが子どもの頃に観た、『明日に向って撃て!』からの影響が大きそうです。なお、実写版アラジンも監督し、幅広いジャンルをこなしています。

米軍のアフガニスタン撤退

米軍は2021年8月30日アフガニスタンから撤退しました。2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件の報復として、アメリカがアフガニスタンに侵攻してから約20年後のことでした。

撤退の影響

今日ではウクライナ紛争に埋もれてしまっていますが、現在でもアフガニスタン問題が続いています。米軍はタリバン勢力と戦いますが、結局タリバンが政権を握ることになりました。ベトナム戦争のような無慈悲さを感じます。

私は恥ずかしながら、アフガン人の通訳が活躍しているとは知りませんでした。アーメッドのように、願いが叶ったのはごく一部の人かもしれません。ビザを取得できずに亡くなった、アフガン人通訳への鎮魂でもあるのです。

個人的な良いところ・微妙なところ

良いところ・・・

戦闘描写 やはりミリタリー好きにはおすすめです。戦闘シーンは緊張感にあふれていました。ハンドサインや、タリバン勢力の銃を観察するのも面白いです。

心理描写 アーメッドは米軍に協力するアフガン人であり、現地人には蔑まれています。そうした、裏切りなどの心理戦がしっかりしています。ラストシーンは『プライベート・ライアン』を連想してしまいした。

微妙なところ・・・少々美化されたと思うシーンがあります。実話をモチーフにしたフィクションとして楽しみましょう。

まとめ

『オペレーションフォーチュン』や『アラジン』といった、どちらかというとお気楽な作品が多いようです。アメリカでは2024年4月ごろに、実話を基にした戦争映画『The Ministry of Ungentlemanly Warfare』が公開されます*1。どうやら戦争ドラマに味をしめたようです笑