社会不適合者のシネマ日記

映画・商品レビュー

私は貝になりたい(2008)

 

私は貝になりたい

という言葉を聞いたことがあるものの、どのような作品かは知らなかった。

最近Amazon Prime Videoで公開されたので見てみた。

散髪屋である清水豊松(中居正広)が、赤紙1枚で戦地に行かされた。

あるところで、撃墜されたB-29の搭乗員を発見した。上官から清水に対して、敵兵を処置するように命令される。上官の指示に背けば殺されるだろう……。

ようやく辛い戦争が終わったものの、戦後に清水はBC級戦犯になってしまう。

BC級戦犯の収容所である巣鴨プリズンで、信頼できる上官を見つける。

保身ばかりの上司もいれば、自分を犠牲にしてでも部下を助けようとする上司もいる。

戦争に巻き込まれ、妻と息子に会えない。

人間として生きることが、これほど辛いなんて。

 

以下の清水のセリフは、死刑囚の遺書が基となっている。

せめて、せめて生まれ変わる事が出来るのなら、いいえ、お父さんは、生まれ変わっても、もう人間にはなりたくありません。人間なんて嫌だ。牛か馬の方がいい。いや、牛や馬なら、また人間に酷い目に合わされる。いっその事、だーれも知らない深ーい深ーい海の底。そうだ貝がいい。

明るい戦争映画なんて無いが、絶望的な作品であった。

国家の犠牲となった人を忘れてはならない。