実は、AIサービスの名前には様々な特徴や傾向があります。身近な Alexa から、最新の大規模言語モデルまで、その命名には興味深い背景があるのです。今回は、AIサービスの名前にスポットを当て、その特徴や傾向をまとめてみました。
1. 動物や生物にちなんだ名前
- LLaMA (ラマ)・・・ラクダ科の動物。(頭文字や略語 にも当てはまります)
- Falcon (ハヤブサ)・・・鷹はUAEの国鳥であることに加えて、AIの開発に取り組む姿勢や理念が反映されています。*1
- Giraffe (キリン)・・・通常のLLMよりも長い文脈を扱えるように設計されており、この「長い首」のような特性が、キリンの特徴と重ね合わせられたのかもしれません。
- Orca (シャチ)・・・Microsoftが開発したモデル。
2. 神話や伝説の生き物
- Phoenix (不死鳥)
- Chimera (キメラ)・・・LLMの推論を高速化するための手法。
3. 頭文字や略語
- GPT (Generative Pre-trained Transformer)・・・ChatGPTのGPTですね。
- BERT (Bidirectional Encoder Representations from Transformers)
- PaLM (Pathways Language Model)
- LLaMA (Large Language Model Meta AI)
4. 人名
AIアシスタントには女性名が使用されることが多いです。しかし、女性を従順で補助的な存在とみなす偏見を助長する可能性があるとして、批判されることがあります。一部の企業は性別を感じさせない名前や声を採用し始めています。
- Siri (Apple)、Alexa (Amazon)、Cortana (Microsoft)・・・これらの音声アシスタントは女性的な名前です。
- Claude・・・正確な由来は公式には明らかにされていませんが、数学者のクロード・シャノン(Claude Shannon)への敬意を表して名付けられた可能性があります。
- Watson・・・IBMの創業者・初代CEOである(Thomas J. Watson Sr.)にちなんで付けられました。
- DALL-E・・・画家のダリと、ピクサーの作品『ウォーリー』の造語です。
5. 技術に関連する用語
- perplexity(困惑という意味・専門用語)・・・言語モデルの性能評価に使われる、指標の一種が由来ではないでしょうか。
- Gemini (双子座)・・・かつてBardという名称だったことを覚えていますでしょうか。
命名ポイント1.双子座の星座は、素早く適応し、多様な人々とつながり、物事を多角的に見る能力を持つとされています。
命名ポイント2.NASAのプロジェクトへの敬意
NASAのプロジェクトへの敬意を表し、1965年から1968年にかけて行われたNASAの「プロジェクト・ジェミニ」にちなんでいます。
当初は「Titan」という仮称が検討されていたことも明かされています。*2
6. 日本語
- Sora・・・「空」には多様な意味が含まれています。
- Claude Haiku・・・俳句が少ない言葉で深い意味を伝えるように、Claude Haikuも限られたリソースで高度な言語処理を行うことができるという特徴を反映しています。
7. ユニークな由来
- Grok・・・(AIが人間の意図や文脈を深く理解するという意味合い)・・・「Grok」はSF小説「銀河ヒッチハイク・ガイド」に登場する言葉で、「理解する」「共感する」という意味合いがあります。マスク自身がこの作品を好み、採用したという説があります。
- hugging face・・・創業者のお気に入りが「抱きしめる顔」を意味する「hugging face」の絵文字🤗だったというユニークな由来です。
まとめ
これらの命名には、それぞれのモデルの特性や開発者の意図、文化的背景が反映されています。名前が持つ意味や由来を知ることで、AIサービスの理解がより深まるでしょう。
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